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デジタル一元化は戦術、戦略ではない

「経営戦略」という言葉は存在しても、「経営戦術」という言葉はあまり使うことはありません。
企業経営にとって、「戦略」と「戦術」を比較すると、「戦略」が上位概念で、「戦術」が下位概念となります。

「戦略」とは、経営的に何の為にどのような武器を使うかということ(目的ありきの経営的な判断)
「戦術」とは、使う武器を誰がどのように扱うかということ(手段・手法)

給与計算業務を外部委託(アウトソーシング)することの目的は、
「給与計算業務を担当する優秀なスタッフには、他の業務を担当してもらいたいという経営戦略的な人財配置」
となります。

毎月1回社員さんに支払い義務がある給与の計算業務。
勤怠・手当・控除の管理を優秀な社員さんが担当するのか、外部委託するのか?
経営的な判断が必要になります。

今、日本中で議論されている「デジタル一元化」というのは、「戦術」であると考えます。
「デジタル一元化」は決して「経営戦略」ではございません。
PFドラッガーが生きていれば、一喝されたことでしょう...

企業の「コア業務」とは「デジタル一元化」ではありません。
粗利を稼ぎだす業務こそが「コア業務」であり、そこに集中すべきです。
「目的と手段」を勘違いしている経営者がとても多いと感じています。
「デジタル一元化」は「手段」です。

給与計算を内部で行うことができる条件としては、
「長年に渡り、絶対に退職しない優秀な社員が存在していて、社会保険から昇給情報まで1人で管理できる状態であること」
です。

そのような優秀な社員が存在するならば、給与計算をさせないで、「営業管理」や「生産管理」といった、他の業務を担当してもらうのが「人財戦略」ではないでしょうか?

今月のテーマは、「デジタル一元化は戦術、戦略ではない」でした。