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経営者のためのBlog

2016.05.02
だらだら残業を削減する4つの方法
だらだら残業

✔社員がだらだらと残業をする
✔残業代がかさむ
✔残業が多く、社員の体調が心配

このような悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。

何とか残業を減らしたい。
定時に帰らせたい。
プライベートの時間も大切にしてほしい。

と思いながらも、なかなか目に見える成果を発揮できる会社は多くはありません。

残業をするのが当たり前の環境になってしまっている。
上司より先に帰るのが忍びない。
残業代が欲しくてだらだらと居残る。

ここでは、そのような環境を根本から変え、だらだら残業を削減する4つの方法についてお伝えしていきたいと思います。

 

1.紙の出勤簿で実労働時間を管理する

出勤簿

1つ目の方法として、紙の出勤簿で労働時間を管理する、ということが考えられます。

多くの企業ではタイムカードを使って、労働時間を管理されているかと思います。しかし、タイムカードは単に「会社に来た時間から帰った時間」を記録するだけのものであり、実際の労働時間の記録とは異なります。

労働基準法では、労働時間とは実際に働いた時間(実労働時間)のことを指しています。実労働時間とは、会社の指揮命令下にある時間であり、出張先までの移動時間、トイレ休憩、コーヒータイム、喫煙、雑談などの時間は含まれません。

そのため、「タイムカードに打刻された時間=労働時間」と考えると、それだけで残業代は膨れ上がってしまいます。

残業代は、実労働時間が8時間を超えた場合に支払うものであり、タイムカードの時間が8時間を超えたから支払うものではありません。

実際に厚生労働省はタイムカードを用いなくとも、使用者が部下の労働時間を直接確認すればそれでよいとの考えを示しています。

(※詳しくは「会社を強くする勤怠管理の方法5つのポイント」をご覧ください)

そのため、タイムカードは単に出社時刻と退社時刻を記録しただけのものであり、実際の労働時間については社員の申告+上司の確認で行うのが現実的かと思われます。

 

2.残業は申請許可制にする

時間外勤務申請書

2つ目の方法として、残業は申請をもって認めるということをルールとして設ける必要があります。

ここで押さえておきたいのは、社員の側に残業権というものは存在しないということです。だらだらと会社に残ることは社員の自由ですが、それをもって残業時間と認定するかどうかは上司の判断によります。

なぜなら、残業は上司が命令して初めて発生するものだからです。

しかし、だらだら残業が常態化し、上司もそれを黙認している場合、いかに上司が「私は残業を命令していない!」と言ったとしても、労働基準監督署はそれを認めません。残業と認定してしまいます。

そのため、下記のような規則を導入し会社に定着させる必要があります。

<例>
1.残業をする場合はその日の午後3時までに上司に申請書を提出する
2.やむを得ず午後3時までに申請書を提出できなかった場合は事後申請とするが、そのときは上司が残業かどうかを判断する

規則を明確にし、会社に定着させることが残業を抜本的に削減する第一歩かと思います。

 

3.「固定残業手当」の導入を考える

3つ目に、「固定残業手当」についてです。

固定残業手当とは、毎月決まった額の残業代を社員に支払うというものです。

例えば、30時間分の残業代が50,000円としたら、たとえ残業が0時間としても、50,000円を支払います。

固定残業手当を支払うこととなれば、社員の側からしてみたら、残業代を稼ごうという意識は減ると思います。残業してもしなくても、定額の残業代がもらえるとなれば、残業はしないという方向に意識がはたらくことになるからです。

ただし、次のような注意点があります。

1.何時間分の固定残業手当なのかを就業規則、賃金規定、労働契約などに明確に定める(例:30時間分)

2.実際の残業時間が固定残業手当分の時間を超えた場合、その超えた分の賃金を支払う(例:残業時間が35時間の場合、5時間分は残業代を別に支払う)

3.手当の支給要件を職務の遂行に対するものとしない(例:営業手当を固定残業手当として支払う場合、手当の支給要件を「営業職に対するもの」とするのではなく「時間外割増賃金相当分」とすること)

以上のルールが明確である場合は適法とされますが、もしこのようなルールが明確でない場合は非常に危険です。

✔労働基準監督署から指摘を受け、残業代をさかのぼって支払う
✔退職者から後日未払い残業代の請求書が届く

ということになり兼ねません。

固定残業手当の導入は慎重に行う必要があります。

 

4.時間外労働の概念がない「裁量労働制」を採用する

時計

4つ目に、「裁量労働制」についてです。

裁量労働制とは、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に社員の裁量にゆだねる場合に、社員と結ぶ労働形態の1つです。

そして、裁量労働制では、労働時間の計算を実労働時間で行うのではなく、“みなし労働時間”によって行うことが認められています。

例えば、社員が1日10時間働いたとしても8時間働いたものとみなします。これは社員の側に大幅に、時間配分等を決められる裁量があるからです。

ただし、裁量労働制が認められる職種は、厚生労働省が定めたもののみとされており

1.専門業務型
2.企画業務型

の2種類があります。

 

<専門業務型>

  1. 研究開発
  2. 情報処理システムの分析・設計
  3. 取材・編集
  4. デザイナー
  5. プロデューサー・ディレクター
  6. コピーライター
  7. 公認会計士
  8. 弁護士
  9. 不動産鑑定士
  10. 弁理士
  11. システムコンサルタント
  12. インテリアコーディネーター
  13. ゲーム用ソフトウェア開発
  14. 証券アナリスト
  15. 金融工学による金融商品の開発
  16. 建築士
  17. 税理士
  18. 中小企業診断士
  19. 大学における教授研究

専門業務型の裁量労働制を採用する場合には、労働者の過半数を代表する者と「労使協定」を結ぶ必要があります。

(詳しくは厚生労働省のホームページhttp://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/をご覧ください)

 

<企画業務型>

企画業務型では、企画・立案・調査・分析の業務が該当します。具体的には、会社の中枢部門で企画などの業務を行うホワイトカラーの社員などとなります。企画業務型の裁量労働制を採用する場合には、労使委員会をつくり、そこで5分の4以上の賛成を得る必要があります。また、その決議内容を労働基準監督署に届け出る必要があります。

(詳しくは厚生労働省のホームページhttp://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/kikaku/をご覧ください)

 

5.4つの方法(まとめ)

以上の内容をまとめると

1.紙の出勤簿で労働時間を把握する
2.残業は申請許可制にする
3.固定残業手当の支給をする
4.裁量労働制を採用する

いずれか1つ、できるところから取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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