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経営者のためのBlog

2016.03.29
会社を強くする勤怠管理方法5つのポイント
タイムカード

近年「ブラック企業」などの言葉が流行し、企業の労務管理体制が厳しく問われる時代となっています。

「1日に15時間も会社にいる」
「働いた分だけの残業代がでない。」

このような不平不満を持った社員が退職をした場合、のちのちトラブルになるケースが後を絶ちません。

会社を辞めたと思ったら、後日未払い残業代の請求書が届いた、ということはよく聞く話です。最悪、裁判にまでもつれこんでしまうケースもあります。

このような問題が起こる背景には、企業側が正しく勤怠管理をできていないことが原因であると言われています。例えば、

✔会社がだらだら残業を黙認している
✔タイムカードのみで労働時間を管理している
✔就業規則の中で勤怠管理についてのルールが明確でない

などが考えられます。

ここではトラブルを未然に防ぎ、かつ、経営者が安心して営業活動に専念できる、勤怠管理のポイントについてお伝えしていきたいと思います。

 

1.タイムカードを使って勤怠管理をするべきか?

タイムカード

勤怠管理をする上で、まず考えなければいけないのは、「どうやって社員の労働時間を特定するか?」ということです。

タイムカードを使って1分単位で管理すべきなのでしょうか?それとも出勤簿などを作り、自己申告制にするべきなのでしょうか?

いろいろな方法が考えられますが、ここではタイムカードについて、国がどのような考えをしているのか話していきたいと思います。

さかのぼる2004年3月、国会にて、今ではミスター年金と言われる民主党の長妻昭氏が、時の内閣総理大臣、小泉純一郎氏に次のような質問をしました。

その趣旨をまとめると・・・

「厚生労働省は企業等に対してタイムカード導入など、労働時間の適正な把握を求めている。しかし、自らはタイムカードを導入していない。なぜタイムカード管理にしないのか?

これに対し小泉純一郎氏は、

タイムカードのみでは職員の正確な勤務時間が把握できないことから、勤務時間管理の手法として、タイムカードの導入は必要でない」

「機械的に登庁及び退庁の時刻を記録するタイムカードのみでは職員の正確な勤務時間が把握できない」

「職員に正規の勤務時間を超えて勤務させる場合にあっては、職員に対し超過勤務を命じ、その内容を勤務時間報告書等に記入することにより、特段の支障なく行っている」

との回答をしています。

つまり、タイムカードとは、単に会社に来た時間と会社から帰った時間を記録しただけのものであり、実際の労働時間とは異なるということになります。

勤怠管理において特定すべき労働時間とは、実際に働いた時間(実労働時間)のことであり、会社の指揮命令下にある状態を言います。もちろん休憩時間は含みません。

工場での作業の待ち時間のような手待ち時間は実労働時間に含まれると言われていますが、出張先までの移動時間、トイレ休憩、コーヒータイム、雑談などの時間は指揮命令下とは言えないため、実労働時間には含まれません。そのため、タイムカードで把握できる時間と実労働時間にずれが生じるのは当然のことと言えるでしょう。

勤怠管理において大切なのは、実労働時間を特定することです。

では、現実問題として、どのような方法で実労働時間を特定するのがよいのでしょうか?

 

2.厚生労働省が勧める勤怠管理方法

勤怠管理の方法として、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」という文書の中で次の方法を示しています。

(1)使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること
(2)タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること

(2)のタイムカードを用いる方法だと、小泉元総理がおっしゃるような、正確な勤務時間は把握することは難しいと思います。

なぜなら、出張先までの移動時間、トイレ休憩、コーヒータイム、雑談などのロスタイムが含まれているからです。

また、だらだらと会社に居残り、帰り際にタイムカードを押す社員がいるとしたらそれも労働時間に含まれてしまいます。

そのため、(1)の使用者が直接確認する方法をとるのが、正確な勤務時間を把握するのに有効な方法だと考えられます。

社員一人ひとりが出勤簿に労働時間を記入し、それを使用者が確認する。使用者が直接確認できない場合は、その権限を部長・課長に委任し、社員の労働時間を確認させる。このような方法が一番現実的であると思われます。

ただし、たとえ社員が所定の時間と申告してきたとしても、だらだら残業が常態化し、上司も黙認しているような場合は注意が必要です。では、残業時間はどのように管理するのがよいのでしょうか。

 

3.残業時間をどのように管理するか

時間外勤務申請書

まず押さえておかなければいけないのは、「残業は上司が命令するもの」ということです。

社員の側に残業権というものは存在しません。残業はあくまでも会社が必要として社員に命ずるものであり、社員が残業代欲しさにだらだらと残業をし、残った時間を申請する、というものではないことを押さえておく必要があります。

しかし、だらだらと居残ることが常態化し、それを上司が黙認している場合には、労働基準監督署は残業と認定します。

そのため、まず行わなければいけないのは「残業申請書」というものを使い、残業は申請許可制にすることです。ワード、エクセルを用い、ご自身で作成されても構いませんし、市販のものもあります。

具体的な運用方法としては、その日の午後3時までに残業が必要な場合は上司に申請をするというように、原則は事前申請にします。もし、急な仕事が入り、仕方なく事前申請ができなかった場合には事後申請とし、それを上司が承認する流れを作るのがよいかと思います。

このような方法は面倒くさいと思われるかもしれません。しかし、会社には社員の労働時間を把握する責務があります。残業を申請許可制にすることなく、残った時間すべてを残業時間としてしまうことのリスクの方が大きいかと思います。まずはこの仕組みづくりから始めてみてはいかがでしょうか。

 

4.出勤簿の具体的な書き方

では、出勤簿はどのように記入するのがよいのでしょうか。

先にも書きました通り、「使用者が自ら現認することにより確認し、記録する」という方法をとることがよいかと思います。

しかし、いちいち上司が部下の勤務時間を毎日書くのかというと、実務上難しいこともあります。そのため、社員が出勤簿に労働時間を記入し、毎日、上司が印鑑を押す、という流れが現実的な方法と思います。上司と部下がお互いに労働時間を確認し合うことが大事なポイントとなります。

 

5.有給休暇の管理方法

ノートとペン

最後に、有給休暇の管理方法について説明します。まず押さえておきたいのは、「休日」と「休暇」は異なるということです。

「休日」は、会社が与えなければいけないもの(公休のこと)
「休暇」は、社員が申請して会社が許可するもの(有休、特別休暇などのこと)

また、

「休日」は、社員に労働義務はなく
「休暇」は、会社が承認して労働義務を免除するもの

と言われています。

そのため、有休については会社が「与える」というスタンスになるので、遅刻したり、欠勤したりした分を、後日有休に振り替えるかどうかは会社が決めていい、ということになります。

ただ、トラブルにならないように、会社の就業規則の中に「年次有給休暇を取得する場合は、取得の1ヶ月前までに申し出て承認を得ること」のように規定しておくことが重要となります。

もし1ヶ月までの申請が難しかった場合、有休に振り替えるかどうかは会社の判断による事になると思います。

 

以上、会社を強くする勤怠管理の方法についてお伝えしてきました。どれか1つ、できることから始めてみてはいかがでしょうか?

 

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